こんにちは、あすーです♪
クロアチア旅行の際にドゥブロヴニクから日帰りで行ったモンテネグロのコトル、とても素敵な町でした!
歴史的背景とか知っていたらもっと楽しめると思ったので、その辺りも少し解説して、当日のレポに入りたいと思います
撮ってきた写真もたくさんお見せします!

コトルの概要&歴史

コトル(Kotor)はモンテネグロの西部、アドリア海沿岸に位置する都市で、リアス式海岸のコトル湾の1番奥の静かな場所に位置する人口13,500人ほどの小さな美しい町です(^^)

コトルの街並みと周辺の自然は「コトルの自然と文化歴史地域」として1979年にユネスコの世界遺産に登録されています。


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赤い屋根が可愛い♪城壁入り口付近から。

通貨はユーロが使える

クロアチアは独自通貨を持っているのですが、お隣であるモンテネグロはユーロが流通しています。
現地通貨に両替しないとなーと思っていたので少し驚きました。
モンテネグロは、元々ドイツマルクを使用していたそうなのですが、ドイツマルクが廃止されてからはユーロを法定通貨としているそうです。
ただし、ユーロ通貨同盟には加盟していないので、ユーロ硬貨や紙幣の発行は承認されていないそうです(^^)

参考サイト:
通貨同盟 『ウィキペディア日本語版』
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ちょっとした路地がもう絵になります♪

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気ままに路地を進み迷っても小さい街なので大丈夫(^^)

複雑な歴史

場所柄、とても複雑な歴史があります。ざっと簡単にまとめましたが、より詳しくは文末の参考サイトへどうぞ(^^)

コトルは、1420年から1797年まで、途中オスマン帝国支配期を2度挟むものの、延べ約300年の間ヴェネツィア共和国の支配下で軍事都市として発展しました。
そのため、現在でもヴェネツィア様式の影響を受けている街並みを見ることができます。
コトルの中世の町並みを取り囲む印象的な城壁も、ヴェネツィア共和国によって建てられたものです(^^)
この約4.5kmに及ぶ城壁と点在する砦からは、コトル湾と町を一望することができます♪

その後、オーストリア大公国、イタリア王国、フランス帝国、オーストリア帝国、ユーゴスラビア、再度イタリアの支配下となり、第二次世界大戦後、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国内のモンテネグロ社会主義共和国となります。

1991年からのユーゴスラビア紛争によりユーゴスラビア社会主義連邦は解体されるも、モンテネグロ共和国はセルビア共和国とともに、ユーゴスラビア連邦共和国(新ユーゴ)として連邦に留まりました。
その後、2003年には連邦制は解体し、セルビア=モンテネグロという国家連合を形成したましたが、2006年にはそれからも分離独立し、現在のモンテネグロとなりました。

参考サイト:
コトル 『ウィキペディア日本語版』
ユーゴスラビア社会主義連邦共和国 『ウィキペディア日本語版』
モンテネグロ 『世界史の窓』

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至る所にネコがおりました。

度重なる地震被害

コトルは何度となく地震に見舞われて来ました。
1563年と1667年の地震にも大きな地震がありましたが、1979年の地震が最も壊滅的でした。
1979年4月15日にモンテネグロ沿岸部で起きたこの地震は、規模はマグニチュード6.9とされ、一帯で136人が犠牲に、10万人以上が住まいを失ったそうです。


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1979年4月15日に撮られた写真 引用元:My Guide Montenegro


コトルの旧市街も深刻な被害を受け、ユネスコは「コトルの自然と文化歴史地域」として世界遺産に登録するとともに、危機にさらされている世界遺産リスト(List of World Heritage in Danger)にも加えました。
その後10年間にわたって、修復のためコトルの旧市街は一般公開されませんでした。
上の写真を見るとその惨状がわかりますが、コトルを愛する人々の協力もあって、現在では以前の美しい姿を取り戻しています(^^)

参考サイト:
1979 Montenegro earthquake『Wikipedia』
The Earthquake in Kotor - 40th Anniversary『My Guide Montenegro』

コトルのみどころ

それでは、実際に行ってみた感想も交えておすすめスポットをご紹介していきます♪

正門 Sea Gate

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ピンク色で可愛い♪

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城壁を辿って正門へ。

バスやレンタカーでコトルに到着したら、湾沿いの道を城壁を辿って歩いていくとこの旧市街への入り口に出ます。
バスターミナル隣の駐車場に停めましたが、のんびりあるいても7,8分くらいでしょうか。
門の手前に観光案内所もあります。
くぐって旧市街へ♪

時計台 Clock Tower

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正門を入ると少しひらけた広場があり、目の前に時計台があります。
青い空に石灰の白い壁が映えます♪
1602年に建てられたものの、先の地震では海側へ結構傾いてしまったそうです(もう直してあります)。
この辺りはカフェや銀行ATMなどもあり、観光客で賑わっていました。
ちなみに、時計台の前の柱は、中世の頃に犯罪者が繋がれて晒されていたそうですよ(o_o)

聖トリプン大聖堂 St.Tryphon Cathedral

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大聖堂の正面

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大聖堂内部

1166年に建てられたロマネスク様式の2つの鐘楼をもつローマ・カトリック大聖堂です。
809年からあった古い教会と同じ場所に建てられました。
1667年と1979年などの地震の度に深刻な被害を受け、再建・修復されました。
バロック様式の33mと35mの塔は地震後に増築されたそうです。
それぞれに建築年の1166の文字と、850年を記念した2016が刻まれています。

ちなみに、午後の方が正面に陽の光が当たって綺麗でした!

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入り口上にはコトルの守護神である聖トリプンが。

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主要祭壇

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かろうじて残るフレスコ画

1番の見所は、大理石の柱をもつ祭壇の天蓋です。上部には聖トリプンの生涯が彫刻されています。
内部には14世紀のフレスコ画がみて取れます。
昔は、内部の全ての壁にフレスコ画が描かれていたそうです(^^)

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香炉にはちょこんと天使が座ってました。可愛い♡
内部は1979年の地震の後にも回収されているため、新しいような印象を覚えます。

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身廊は新しい印象

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2階のバラ窓

2階は宝物館のようになっていて、精巧な銀細工などが飾られていました。
バラ窓の下あたりに出る展望台からは広場がよく見渡せました。

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聖トリプン大聖堂
開館時間:9:00〜20:00(夏季)
休館日:なし
入館料:3€
※公式サイトがないので変わっているかもしれません。

聖ニコラス教会 St.Nicholas Church

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二つの塔が目印です

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内部は広々

旧市街の北側に位置する二つの塔を持つセルビア正教会で、無料で入れます。
屋根にはスラブ系正教会やロシア正教会で見られる八端十字架が立っています☦

正面にはセルビア国旗が掲げられているそうですが、私たちが行った時には丸められていてわかりませんでした。
おそらく、国旗が広げられる場所の下に丸窓があり、そこに光が入る時間帯だったからかもしれません。

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圧巻のイコノスタシス

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精巧な銀細工も見事

内部はシンプルなものの、見事なシャンデリアやたくさんのイコンで覆われた仕切り壁(正教会特有で、イコノスタシス*というらしいです。)が見応えあります!
銀細工のパネルで覆われたイコンも素晴らしかったです(^^)
新しい印象を受けましたが、20世紀初頭に火事で焼失した教会を立て直したからだそうです。
この教会は、地球の歩き方には説明がなかったのですが、見て大変満足しました♪

イコノスタシス(iconostasis、「聖障(せいしょう)」と訳される)とは聖所と至聖所を区切る、イコンで覆われた壁である。正教会と東方諸教会の聖堂で用いられる。 イコノスタシス『ウィキペディア』


聖ニコラス教会
開館時間:8:00〜21:00
休館日:なし
入館料:無料
※公式サイトがないので変わっているかもしれません。

聖ルカ教会 St. Luke's Church

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こじんまりした教会です。

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教会内部のイコノスタシス

先ほどの聖ニコラス教会と同じ広場にある小さな正教会です。
コトルで一番古い正教会で、1195年にロマネスク様式で建てられました。
元々はカトリック教会でしたが、14世期に正教徒がコトルに定住した際に、祈る場所が必要だろうと正教会のイコンを置かせてあげたそうです。その後しばらく共存し、現在は正教会だそうです。いい話(^^)!
1979年の大地震の際にも聖ルカ教会だけはなんのダメージもなく、奇跡だという人たちもいるとか。
上の写真のイコノスタシス意外にも、今良当時のフレスコ画などもあります(写真にとれずでした。。。)

参考サイト: KASADOO


聖ルカ教会
開館時間:8:00〜20:00
休館日:なし
入館料:無料
※公式サイトがないので変わっているかもしれません。

城壁 City Walls

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コトルといえばこれなしには語れないでしょう!
旧市街の奥の山に沿ってヴェネツィア共和国時代に築かれた4.5kmの城壁です。
入場料が8ユーロかかります。
街の2カ所から登り口がありますが、聖トリプン大聖堂の裏手あたりから上るのが分かりやすいと思います(^^)
路地の間の、「え?ここ?」っていう入り口です(笑)

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聖トリプン大聖堂裏手の城壁入り口

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城壁の山道はこんな感じ

救世聖母教会 Church of Our Lady of Remedy

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祠のようなカトリック教会

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可愛い内部

20分ほど登った中腹に、救世聖母教会という小さな教会があります。
無料で開放されていました。
15世紀に、ペストの収束を願って建てられたそう。
水色の天井に星が描かれていて可愛らしい教会でした♪
ここまでくると結構見晴らしが良いので、ここまでは頑張ると良いと思います(^^)

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景色を愛でる?犬たち

教会を後にもう少し登ると見晴台があります。
そのあとは階段が増えてきます。結構急な物も多いです汗

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階段が結構こたえます

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他のルートなのかな?

サン ジョバンニ要塞(Castle Of San Giovanni)

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モンテネグロの旗がはためいていました

途中休憩したり写真撮ったりしながらしたから小一時間くらいで頂上に着きます。
頂上にはサン ジョバンニ要塞があります。

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要塞っぽい感じ

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団体さんも登ってきたのね

ちょっとした広場があったり、絶景スポットでみなさん思い思いに写真撮影していました。
気になる景色は・・・

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景色は絶品!

絶景です!昇る価値あります!風が通り抜け心地ちよかった〜〜
他にも古い要塞としての見所?がいくつかありました。

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翼を持ったライオンの飾り

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写真だとわからないけど足元を見ると怖い橋。結構高い〜

要塞の門にもヴェネチアの象徴である翼を持ったライオンが。
メンテナンスなんて行き届いていない橋は渡るの怖かったです(笑)両サイドに結んである白い布きれは願い事とかなのかな?

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朽ちた中庭に生えた木

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ネコも日向ぼっこ中

砂利道だったり古い石畳だったりと足場はよくないので、歩きやすい靴で、かつ少ない荷物で行くのがオススメです!
私は冒頭の登山口での写真でもわかるようにtevaで登りました。
旅行はだいたいいつもteva。15年以上何代目かもわからないくらい愛用しています。涼しいし最高です。
また、途中に売店はないのでお水は持っていった方が良いと思います。
物売りのおじさんが1人いましたが、いつもいるかは不明ですし。

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下りも地味に膝にきます(笑)

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今にも抜け落ちそうな要塞の床

城壁とサン ジョバンニ要塞
開館時間:? 特に閉まったりはしないみたいです。
入館料:8€
※公式サイトがないので変わっているかもしれません。

番外編:ランチ

城壁を登ってくたくたになったあとは、やっぱりこれです♡
せっかくなのでモンテネグロのビールを2種♪

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確かピルスナーとエール。乾いた喉にあっという間になくなる(笑)

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魚介のパスタ

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モンテネグロ風ステーキ

ランチはぷらぷら歩いてトリプン大聖堂前の広場のお店でいただきました。
テキトーに入りましたが、美味しい&リーズナブルで大満足でした。
魚介のパスタと、モンテネグロ風ステーキとやらを頼みました。
トマトベースのパスタは魚介の出汁がしっかり効いていて、ステーキはポークピカタのような感じで、柔らかくジューシーでした(^^)
もっと観光地価格かと思ってましたが、ビールも2杯頼んで40€でした。
昼下がりの広場に面した席も気持ちいいです♪

ちなみにお店はこちら → Pescaria Dekaderon

最後に

コトルは小さい街ですが、とても可愛いゆっくりした街でした!
ツアーで数時間滞在するのも十分楽しめると思いますが、城壁に昇るのならもう少し時間があった方が良いと思います。
私たちはレンタカーでドゥブロヴニクから日帰りしましたが、運転もあるので到着したらすぐに城壁に登る(午前中の方がまだ涼しいと思います)→早めのランチでビールw→のんびり市街地観光という感じで回りました。
このあとドゥブロヴニクへの帰り道に素敵な街を見つけたのですが、それは次回♪